映画「日本の悲劇」パンフ寄稿&監督とトーク

130920日本の悲劇表紙

映画『日本の悲劇』のパンフレットに寄稿した。

監督は、小林政広氏。『バッシング』や『ワカラナイ』で、イラク人質事件や少年ホームレス問題を取り上げてきた社会派。今回の映画は、2010年夏に起こった年金不正受給事件がヒントになっている。

実際に報道された事件から着想を得つつも、設定は、死期をさとった父が失業中の息子が自分の年金を受け取り続けられるように自室にこもった、というフィクションになっている。

私は寄稿文で、次のように書いた。

―――

あの夏、このような家族がいるだろうと思っていた。

どうせ社会問題化するなら、このような家族の姿が見えてくればいいと思っていた。

それは社会に、ただの「悪者たたき」ではない「問い」を投げかける。

しかし、思うような事例は出ず、話は「消えた高齢者」問題に移っていった。

私は、残念だった。

(中略)

今回、山本政広監督が「このような家族」を描き出してくれた。

フィクションだが、それによって私は救われた気がした。

「私と同じように、このような家族を見てくれた人がいる」と。

そして「自分が見ただけでなく、カタチにして見せてくれた人がいる」と。

山本監督に、そして仲代達矢さんを始めとする出演者のみなさん、スタッフのみなさんに感謝したい。

―――

パンフレットへの寄稿がご縁で、試写会で監督とトークイベントも行ったが、監督は「取材はしない」と言っていた。

事実を踏まえすぎると、想像力の手足が縛られるということか。リアリティのある映像とストーリーは、豊富な取材に裏付けられているようでいて、逆だった。

以前、小説家の桐野夏生さんと対談したとき、彼女も同じようなことを言っていた。「取材しない」と。

彼女の『OUT』にしろ『優しいオトナ』にしろ、小林監督の『日本の悲劇』にしろ、すぐれたフィクションは作者の想像力を全開にさせることで、リアリティを獲得するのだろう。

8月31日より、ユーロスペース、新宿武蔵野館他にて全国順次公開。

http://www.u-picc.com/nippon-no-higeki/about.html

監督とのトークイベントの記事。

http://notaru.com/notaru-event/2013/08/22/9054

  1. mihonazun says:

    私はしがないクリエーターです。そして母子家庭の時給1200円で働いている母親であり、双極性障害も持っています。息子の体が小さい頃からとても弱くて、会社に通うのが困難な時が多々あり、辞めざるえない時もありました。
    喘息、アトピーなんかの発作にいつもびくびくして生きています。
    こんなに貧乏で、息子も病気がちで私の障害は一生治らない。
    未来ってあんでしょうか。私は真実をとりたい。
    取材というか自分の目で見た事を感じた事を表現したい。私が生きている目的です。クリエイターとしての目的。私は死ぬまで何かを表現して生きていきたい、それは実体験から得た知恵と経験と闇。だって何度でも言わなきゃ理解者は増えないから。

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